クラウド会計導入でテレワークを実現、レガシーな業務プロセスを抜本改革! 退路を断って進めた経理DXがもたらす、バックオフィスの改善マインド。

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業務のデジタル化を進め、効率化を図りたいと思っていても「長く続いてきたやり方を簡単には変えられない」「目の前のことに精一杯で時間がない」という企業は多いのではないだろうか。

自動車ショールームなどのCIマネジメントを手がける株式会社アーバンスペースも紙ベースで業務を行っており、改革の必要性は感じていたものの本腰を入れて取り組めずにいたという。しかし新型コロナウイルスの流行をきっかけに、メリービズに相談。経理業務のアウトソーシング、会計ソフト『freee会計』の導入や業務フローの再設計などの支援により、一気にDXを進め、業務効率化や自計化を実現した。

同社が抱えていた問題やメリービズが伴走したDXの取り組みなどを、総務・経理部次長の大野智永子氏に伺った。

株式会社アーバンスペース

設立年
1987年9月1日
事業内容
自動車販売店(ショールーム)展開の総合プロデュース

課題・背景

  • 出納帳への手書き、銀行窓口での振込など、紙ベースの非効率な業務フロー
  • 帳簿への記入漏れチェック・修正等の大きな業務負荷
  • 税理士へ委託していた月次決算の締めが遅く、タイムリーな経営判断がしにくい状況

解決策

  • 会計システム選定を行い、クラウド会計システム『freee会計』の導入を決断
  • 業務フロー再設計、各種マスタ、銀行口座連携の各種設定等をハンズオンで実施
  • 経費精算ソフトを導入し、精算方法を小口現金から振込へ変更

導入効果

  • 紙ベースの起票や伝票管理などの業務がなくなり、すべてクラウド上で完結
  • 月次に関わる業務工数の大幅削減に成功。週3日のテレワークも実現
  • 売上・費用をタイムリーに把握することが可能に。銀行からの評価もアップ

入出金は紙の出納帳に手書き。毎日、銀行窓口へ。レガシー過ぎた経理業務

――御社の経理・バックオフィスが抱えていたDXの課題を教えていただけますか。

大野:弊社の経理はともかくすべてがレガシーで、DXにはほど遠い状況でした。具体的には、経理業務はすべて紙またはエクセルで処理。たとえば経費精算は、経費精算ソフトを入れておらず、社員が作成した紙の申請書をもとに小口現金で精算していました。現金の出入りが激しく、ある程度のお金を金庫に準備する必要があり、各種納付業務もネットバンキングではなく対面で行っていた状況です。そのため、銀行の窓口やATMに上司が毎日通っていました。

会計ソフトも入れておらず、仕訳は会計事務所に依頼していました。銀行の入出金は手書きで記録。紙の帳簿に簡単な明細を書き込み、詳細は昔ながらの出納帳に記載。売上管理、入金消込もエクセルで行っていたため、月次データを即時に揃えることが難しい状況でした。そのため、経営判断に必要な数値をタイムリーには把握できていなかったですね。

――なかなかデジタル化が進んでいなかったのですね。何が原因だったのでしょうか。

大野:当時の体制が変化に向いていなくて……。私が入社した2008年当時はネットバンキングの口座もありませんでした。関係各所と調整し口座開設にはこぎつけたものの、結局銀行窓口やATMを利用していました。

月末は文字通り書類が山のように積み上がり、残業、終電は当たり前。徹夜したこともありました(笑)。日々目の前の仕事をこなすのに精一杯で、管理会計なんて夢のまた夢でしたね。

「ともかく助けてほしい」。テレワークの実現、人員減の対応を迫られメリービズを頼る

――社内改革が進まない原因が「体制」や「組織」というのはよく聞くケースですね。そこから経理DXに取り組むことになったのにはどのような背景があるのでしょうか。

大野:きっかけは大きく分けて2つあります。一つ目は新型コロナウイルスの流行です。テレワーク導入の波が押し寄せるなかで弊社も始めることになり、すでにソフトウェアを活用していたデザイナーや営業事務は比較的スムーズに移行しました。ところが経理はほとんどの業務が紙ベースで行われていたため、即座には対応できず、紙の書類をPDF化したり家に持ち帰ったりして無理やりテレワークをしていました。

髙井:しかも当時はデスクトップパソコンを使っていて、貸出用のノートPCが不足していたんですよね。だから経理部の中でも私を含めて一部のメンバーはテレワークができず、事実上の自宅待機でした。

大野:それで「これは本当に経理のやり方を変えなければいけない」と強く思ったんです。

二つ目のきっかけは、上司の退職と私の妊娠です。上司が2021年8月に退職することになり、私も妊娠して同じ月から産休に入ることになったのです。当時、経理業務を隅々まで把握していたのは上司と私だけだったため、2人が抜けると経理が回らなくなるおそれがありました。

紙ベースの業務をやめたい、テレワークを実現したい、でも時間がない。「ともかく助けてほしい」、その一心でアウトソーシングを探し始めました。

――2021年の8月がデッドラインという中で経理部の体制を再構築しなければいけなかったのですね……。そこでメリービズをパートナーに選んだ経緯を教えていただけますか。

大野:アウトソーシング先を探して4社から話を聞いたのですが、結論としては、私も社長もメリービズ一択でした。他社の担当者は弊社のオールドファッションな業務に驚き、ネガティブな反応が表情に出ていた方もいました(笑)。

一方でメリービズの担当者は、私たちが出してきた書類の山を見てもひるむことなく、「今がチャンスです。一緒に改善していきましょう」と言ってくれたんです。契約や体制面でも柔軟なプランを提案してくれたので、すぐに導入を決断しました。

1ヶ月足らずで会計ソフトを導入。担当者が信用できたからすべてを任せられた

――契約してからはどのように進行していきましたか?

大野:これまでのやり方にこだわりはなく、根本的に業務を改革したいと思っていました。ただ時間がないことがネックでした。メリービズさんに相談したのが2021年2月。すぐに契約をしたのですが、その時点で8月まで半年もありません。そこでまずは私がやっていた業務を引き継ぎ、産休・育休から復帰した後に改革を進めていくことにしました。

ところが4月にメリービズさんのコンサルタントから、「ギリギリ間に合うと思うので、今すぐ会計ソフトを入れましょう!」と提案してくれたんです。業務設計中に弊社の実情を確認いただいたところ、早期立ち上げのためには今導入するメリットが大きい、財務指標をタイムリーに見えるようになる、とのことでした。びっくりしましたが、間に合うという言葉を信じて導入を決めました。そこからはもう怒涛の日々でしたね。メリービズさんが弊社に合う会計ソフトとして『freee会計』を選定してくれたので、会計事務所から各種書類を取り寄せるなどして設定を進め、ゴールデンウィーク明けには『freee会計』への移行が完了しました。

――1ヶ月足らずで紙ベースから会計ソフトに切り替えができたとは、すごいですね。しかし御社でも先行きが見えないなか、どうしてそこまでメリービズの提案を信頼できたのですか?

大野:私たちのことを考えてくれているというのが伝わってきたからです。弊社の体制上、他社では営業が行うような業務を経理がやるといったこともありました。私も違和感は感じていたものの、変えられずにいました。しかしメリービズさんは「会社全体の工数を減らす最適解を考えるべきなので、経理がすべての業務を行うのは非効率です」とハッキリ言ってくれたんです。

佐藤:経理が担う仕事が減れば、メリービズさんに任せる業務も少なくなる。アウトソーシング提供側としては、自分たちの売上が減るような提案はしないと思うんです。でもそんなことより私たちの負担軽減を優先して改善策を提案してくれた。その様子を見て、私たちもこの担当者、この会社なら信用できると思いました。

――そこまでご信頼いただき、お任せいただいたのはうれしい限りです。

大野:実はそれと併行して経費精算ソフトの導入を進め、精算方法も小口現金から振込に変更したんです。給与計算も今までは上司が行っていたのですが、上司の退職のタイミングで外部の社労士に任せることにし、選定を進めていきました。

――それだけの改革を同時に、しかも身重の体で進めていたとなると相当大変だったのではないですか?

大野:えぇ、かなり大変でした(笑)。でも「いま頑張れば、育休明けの仕事は絶対に楽になる!」という確信があったので、やりきることができました。おかげで、今は本当に働きやすいですね。

銀行からの評価がアップ!重い腰をあげてDXに取り組めば仕事はグッと楽になる

――『freee会計』導入をきっかけにさまざまな経理DXを進めたんですね。その結果、どのような効果がありましたか?

大野:会計事務所に任せていた仕訳を『freee会計』を使いメリービズさんと一緒に進めるようになったことで、自計化ができました。紙での業務が減り、今は週3日テレワークができています。

またこれまで手作業で時間がかかっていた業務がすべてオンラインでできるようになり、処理スピードがアップ。銀行からもお褒めの言葉をいただきました。予算管理もきちんとできていて、融資判断にもプラスに働いているようです。

――銀行からの評価がアップしたというのは大きいですね。

佐藤:私たちの意識も大きく変わりました。以前は無駄な業務だと思っても「今までやってきたのだから」と続けてきたことも多かった。でもDXを進めたことで、当たり前を当たり前と思わなくなりました。「この作業はやる必要があるのか」と常に問うようになり、現場レベルで業務削減、効率化ができていると感じます。

――ここまで改革が進められたのは、本当に素晴らしいですね。最後に、同じようにDXが進まず悩んでいる企業にメッセージをお願いできますか。

大野:弊社もこれまでDXは「大変そう」「難しそう」と考え、本当に腰が重かった。でも現状維持が正解とは限りません。改革を始めた当初は本当に大変だったし、面倒なことも多かった。ただそれを乗り越えた今、仕事がグッと楽になり、これまでと違う景色が見えるようになりました。

弊社はメリービズが伴走してくれたことで、ここまで辿り着けました。私たちが抱えている課題を受け止め、親身になって対応してくれて心強かった。コンサルタントは本当に知識が豊富なので、今は頼りきってしまっています。これからもさまざまなアドバイスを受けつつ私も成長し、追いつきたいと思っています。

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